ここにからはFreeBSDのインストールの説明を始めたいと思います。
それにあたり、準備しておかなくていけないことも数点あります。
・FreeBSDは、どのバージョンを使用するか?
最新バージョンを使うのか? それとも、もっとも安定しているバージョンを使用するのか?
それとも、雑誌付録で手に入れた、すでに手元にあるCDから?
・ブート方法は?
インストールが終われば、HDDから起動するのは当然ですが、
インストールのため、まっさらなHDDのマシンから起動させる時に何を使用するか?です。
基本はフロッピーディスクからですが、CD-ROMドライブがCD-BOOTに対応しているならば
フロッピーディスクを使用せずにCD-ROMからインストーラーを起動させる事も可能です。
フロッピーからブートさせる場合、当然ながらブートディスクの作成が必要になってくるわけでもあります。
これらに関して、詳しく説明していきたいと思います。
FreeBSDの場合、選択肢は2通りあります。
・開発バージョン5の最新安定版を使用する。(2003年7月の時点で 5.1RELEASE)
・安定バージョン4の最新安定版を使用する。(2003年7月の時点で 4.8RELEARE)
前に説明した事もあるとおり、バージョンは2つ存在していて、バージョンが一つ上がると、
基礎となったバージョンに様々な追加機能…例えばバージョン5の大きな変更はsparc64
と ia64という
新たなCPUに対応…といった風な大きな新機能が追加されていきます。
詳しくはこちらのページを。
しかし、メインシステムに関わる部分に新しい機能を数多く追加すると、
やはりそれゆえ新しい機能に対する不具合等が数多く発見されます。
ある程度そういったバクの修正が終わると、それを一旦区切りとして、
新たな修正バージョンが公開(リリース)されていきます。(例えば5.0が5.1となるように)
もちろん、それ以降もずっと開発(主にバグフィックス)が行われ、
最終的に完全に安定するまで開発が続けれられる訳です。
バージョン4は、その数年に渡る開発でバグフィックスもほぼ最終段階に入っていると言え、
「非常に安定している」バージョンと言えます。
そのため、サーバーとして使用する場合、選択肢は「FreeBSD4.8
RELEASE」になると思います。
しかし、何事にも例外と言うものがあります。
新しいバージョンほど新しい機能を追加されておりそれは様々な周辺機器に関しても同等です。
もしもの仮定として、手元のPCが使用しているCPUが「sparc64」だとしたら?
この場合、バージョン5以降を使用するしか選択肢は無いわけです(FreeBSDを使用するとして)
まぁ、極端なたとえではありましたが、
同様に「バージョン4では、自分のネットワークカードが対応していない」という事もあります。
この可能性は様々な理由で非常に低いのですが、それでもゼロとは言えません。
この場合、「バージョン5を使用する」と「対応している機器に交換してバージョン4を使用する」の選択があります。
よっぽどでない場合、安定性が必要なサーバーでは後者を選択するべきだと思われます。
昔、メーカーPCで、周辺入力機器(例えばキーボード・マウス等)を、すべてUSBにしたものが登場しました。
その当時最も安定していたバージョンである3ではUSBにほとんど対応してなく、
たとえ不安定と分かっていてもバージョン4を使用しないとFreeBSDを使用する事自体が出来なかった。
…という時代もありました。余談ですが。
こういったどうしても避けれない問題が無い限り、
FreeeBSDが現行で最も安定しているバージョン(2003年7月の時点ならFreeBSD4.8)を使用していきたいと思います。
…え、手元にはFreeBSD4.3のCDがあって、めんどいからそれを使用したい?
別にそれでもいいです。
現段階でもっと安定しているバージョンを使用しなければならない、という規定はどこにもありません。
でも、本格的にサーバーを建てたいのであれば、ちゃんと最終安定バージョンを使用しませう。
たとえ同じバージョン4でも最新安定バージョンの方が対応されている周辺機器も増えていますので。
ブートさせれないとインストール出来ません(そりゃ当然だ)。
まず、手元にFreeBSDのCD−ROM(できれば4.8
RELEASE。2枚組)があると仮定します。
それが、きちんと公式HP(FTPサーバー)より配布されているISOイメージをCDに焼いたものであるのならば
(たとえ雑誌に付属しているものであっても、基本的にはこのデーターを直接CDに書き込んだものです)
「CDブート」に対応しています。
しかしこの場合、CD-ROMドライブが対応していないと当然ながらCDから起動は出来ません。
これなばらPCを起動して、BIOSから1番目にCDから起動するように指定すれば、
さくっとインストーラーが起動するわけです。
ああ、便利な世の中になったものだ…。
でも、対応していない場合は?
この場合、フロッピーディスク(以下FD)を使用した起動ディスク(2枚必要)を作成する事になります。
FreeBSDのCD(2枚ある場合は1枚目)をWindowsのPCでいいので、CDドライブにセットして中身を見てみると、
たくさんディレクトリがありますが、この中の[floppies]の中に、必要なFDイメージが置かれています。
この中には複数のイメージデーターやテキストファイル等がありますが、
この中で必要なのは[kern.flp]と[mfsroot.flp]の2つのみです。
この1.44Mの2つのFDイメージファイルをそれぞれのFDに書き込むことで、起動ディスクを作成する事が出来ます。
余談ですが、FreeBSD 5.xはこれに加えて[drivers.flp]というものも必要になってくる場合もあります。
このイメージデータをFDに書き込むために必要なソフトは?
これは[tools]ディレクトリにある[fdimage.exe]というファイルです。
このFDイメージ2つ、書き込みソフトを、適当なディレクトリにコピーして、
Windows上のDOSプロンプト上より、
C:\xxxxxx\xxxx > fdimage kern.flp a:
C:\xxxxxx\xxxx > fdimage mfsroot.flp a:
の2つを実行する事により、FDに書き込むことが出来るわけです。
説明するまでもありませんが、ちゃんとデータのあるディレクトリに移動する事。
最後の[a:]はFDドライブを指しています。
ここではこれ以上DOSに関して詳しい説明はしません。
まったくやり方がわからないようであれば、素直にCDブート対応したPC本体を用意する事をお勧めします。
(でもサーバー作ろうとしている以上、この程度の知識は持ち合わせておいて下さい)
FDから起動する場合、まず最初に使用するのは[kern.flp]を書き込んだFDです。
起動が始まると、自動的に[mfsroot.flp]のFDと交換するように指示がでます。
この指示に従ってFDを交換すると、しばらくすると自動的にインストーラーが起動するはずです。
さて、次は手元にFreeBSDのCD-ROMが無い場合の説明をしてみたいと思います。
方法は2つあります。
・FreeBSDのCD-ROM(インストールメディア)を手に入れる。
・起動FDのみ準備して、PCを起動させたあとは、インストールに必要なデータはネットワーク経由で入手する。
この2つに関して、詳しく説明していきたいと思います。
手元にインストール可能なCDが無い場合、インストールのためのCDを入手する。
これがもっとも推奨できる手段だと思います。
じゃあ、手に入れるには?
…こうしたFreeBSDのCDは市販されているのですが、今回はそれを除外していきたいと思います。
雑誌に付属しているものを手に入れる。
これが一番手っ取り早いのではないでしょうか。
FreeBSD関連の書籍は、1000円以上のものが多く、さすがに「無料で」というわけにはいかないのですが、
極力安く手に入れるのであれば、これも手だと思います。
しかしこの場合、実際にネットで公開されている「最新安定バージョン」を手に入れる事は困難な場合が多いです。
そこで、ネットで公開されている最新安定版をダウンロードしてCD-Rにコピーする、と言う手段があります。
これはもっとも確実に手にいれられる方法だと思います。
ISOイメージはここに公開されています。
ここから自分の望むバージョンのISOイメージを取ってきて、それをCDーRにコピーすれはいいわけです。
今回の場合は
[4.8-RELEASE-i386-disc1.iso][4.8-RELEASE-i386-disc2.iso]の2枚になります。
このうちDisk1は約610Mですが、Disk2は約260Mなので、合わせておおよそ870Mといったところでしょうか。
非常に確実で良い方法です。
最新バージョンが公開されたら、雑誌等に付属されるよりも早く、手に入れる事が出来ます。
この場合、容量が容量なだけに「ダウンロード支援ソフト」を使用する事をお勧めします。
え、CD-Rドライブなんてない?
……
お友達に頼りましょう(マテ)
そんなにでかいファイルをダウンロードするのが面倒だと言うのであれば、
「4.8-RELEASE-i386-mini.iso」という、200M程度の必要なものだけをまとめたISOイメージが公開されているので、
これだけをダウンロードしてもいいと思われます。
こちらもきちんとCDブートに対応しています(確認済み)。
これに収録されているのは「FreeBSDメインシステムに関わるバイナリとソースのみ」であり、
「パッケージ」が一切収録されていません。(portsは入ってます)
FreeBSDにてX-Windowを使用したい場合、このCDからのインストールは止めた方がいいです。
収録されていませんので。
それ以外であれば、ほぼ問題ないと言えます。
この場合、FD起動ディスク作成に必要な[fdimage.exe]は手に入らないので、
もし必要ならば直接ネットから手に入れましょう。
◆FDより起動させて、ネットワーク経由でインストールする |
こんな事を考えているツワモノがいましたら、まず素直に賞賛しつつ、
「初めてFreeBSDをインストールするつもりならばそれは止めた方がいい」と
アドバイスだけして、説明は省かせてもらいます。
ざっと手順を説明しますと、上で説明した[kern.flp]と[mfsroot.flp]を公式サーバーでもCD-ROMからでもいいので、
とりあえず手に入れてfdimage.exeなりで書き込んで起動FDを作成。。
PCをこの起動ディスクで起動させて、インストーラーを起動させるところまでは同じですが、
その後、きちんとインターネットに繋がるようにネットワークの設定をしないといけない。
ほとんどの場合、DHCPで情報はとってこれるので、それなりに難しくはないかも知れないですが。
これが簡単に出来ないようならば、素直に止めた方がいいです、はい。
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